ぽおすこおすって何語?

「ぽおすこおすってどんな意味?」とよく聞かれます。「どこの国の言葉?」とも聞かれます。ぽおすこおすは擬声語で、ふくろうの鳴き声です。そのように説明すると「え?ふくろうってそんな声で鳴くんだっけ?」と皆さんいいますね。

この擬声語は木下杢太郎(明治〜昭和期の詩人)の「梟」という詩から見つけました。この詩人の作り出したオリジナルな擬声語です。

詩人は自分の世界を表現するのに、ありきたりな用語では満足できず、言葉を作り上げるのですね。

下記がその詩です。


梟   木下杢太郎

ぽおす、こおす。
山は紫。
ぽおす、こおす。
梢の小枝。

ぽおす、こおす。
海の白波。
ぽおす、こおす。
くれゆく汽笛。

ぽおす、こおす。
山の三日月。
ぽおす、こおす。
冬の夜の風。

蔵の戸のかたこと鳴りて
街道の人は途絶えつ。
ぽおす、こおす、裏の社にも
音をたたず、小さき梟。

その時は、十歳にてありき。
今はわれ、支那奉天に。